京成バス新都心営業所の管轄路線、所属車両を主にまとめています。

茜浜車庫が成立して以後、ある問題が浮き彫りになった。
「幕張ラッシュ対応仕様車の輸送でも手に負えない程度の乗客の輸送」である。
幕張メッセのイベント開催時の乗客輸送、プロ野球開催時の千葉マリンスタジアム(当時)の輸送においては、
従来の3扉車をもってしても積み残しが発生しており、茜浜車庫の幕張地区ラッシュ輸送の大きな課題となっていた。
こうした状況を打開する為、1998年、幕張の乗客大量輸送に対応すべくある車両の導入を行った。

それが「連節バス」である。初代連節バスは、ボルボ製シャーシに富士重工ボディーを架装した2ステップ車両であった。
前扉は観音開きのグライドスライド扉、中扉と付属車両扉は4枚折り戸で、車椅子対応もしていた。
1998年、車番4811〜4820の10台が導入され、日本初の一般路線での連節バス導入の事例となった。

日本初の連節バスはつくば万博のアクセスバスであるが、車体が長いが故に日本の道路事情の関係上運行が厳しく、日本での普及はあまり進まず、制作会社側での保存と東京空港交通に譲渡された車両以外は、すべて海外譲渡となった。

この幕張の連節バスは、後の連節バス全国普及の先駆者となり、2000年代になると他会社への貸し出しも行われた。
有名な例としては、2004年の北陸鉄道への貸し出しである。
連節バス実証実験として、京成バスから車番4817が貸し出された。
貸し出された車番4817は、ナンバーが変更されたり実証実験の旨を伝えるステッカーが車体に貼られるなど、とても力を入れていたといえよう。

さらに2008年頃にはトミカのロングシリーズで商品化された。

2010年、それまでの連節バスの排ガス規制やバリアフリーの問題を解決するため、2代目連接バスを導入した。
この車両こそ、今日も幕張地区で走っている、エメラルドグリーン車体の連節バスである。
車両はメルセデス・ベンツ製のシターロGで、「シーガル幕張」という愛称もつけられた。
初代とは違いノンステップ、全扉がグライドスライド扉となった。
更に全車にそれぞれ異なった色の帯が窓上部分に付けられた。
翌年2011年までにボルボ車置き換えの10台(車番4821〜4830)と増車の5台(車番4831〜4835)が導入された。



非常口は存在せず、代わりに車内にはハンマーが装備。緊急の際には窓をハンマーで叩き割って外に逃げ出せる仕組みとなっている。
欧米では一般的ではあるが、日本ではそれまで標準装備だった「非常口扉」という概念を無視した斬新なスタイルである。

その後は初代連節バスと交代でトミカのロングシリーズで商品化された。

尚、車両が変わっても他会社への貸し出しは行われている。

代替廃車となった初代連節バスは4両がJRバスへ、4両が鹿児島のいわさきバスネットワークへ譲渡されたが、1台だけ新都心営業所構内で静態保存された。それが車番4814である。

2021年4月現在も現存しているものの、油圧機器の損傷が激しく、残念ながらエンジンの作動ができない。

連節バスは2010年代になると全国的に普及した。

また、日本国内の連節バス車両はこれまでは外車が主力だったが、2019年、いすゞ自動車と日野自動車が共同で国産連節バスを発売した。
製品名がいすゞが「エルガデュオ」、日野が「ブルーリボンハイブリッド連節バス」である。

史上初の国産連節バスは京成バスにも2020年に納車。同年開業する「東京BRT」専用車両として奥戸営業所東雲車庫に「エルガデュオ」が配置された。

2021年には新都心にも国産連節バスが配置。メーカーは指定に合わせて日野となった。

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